葬儀に持参するカバンは、小ぶりなフォーマルバッグが基本です。しかし、遠方からの参列で着替えや手土産を持っていたり、仕事帰りに駆けつけるため書類があったり、あるいは小さな子供連れで荷物が多くなったりと、どうしてもフォーマルバッグだけでは荷物が収まりきらない場合があります。そんな時に役立つのが「サブバッグ」です。結論から言うと、葬儀の場でサブバッグを使用することはマナー違反ではありません。ただし、どのようなサブバッグでも良いというわけではなく、そこには明確なルールが存在します。サブバッグも、メインのフォーマルバッグと同様に「黒」で「無地」で「光沢のない」ものを選ぶのが絶対の条件です。素材は、ナイロンやポリエステルといった布製のものが一般的です。紙袋や、スーパーのビニール袋、あるいはカジュアルなブランドのトートバッグなどをサブバッグとして代用するのは、たとえ黒であっても明確なマナー違反となりますので、絶対に避けましょう。大きさは、A4サイズの書類が収まる程度の、大きすぎないものが適切です。サブバッグの役割は、あくまでメインのフォーマルバッグに入りきらない荷物を一時的に収納するためのものです。斎場に到着したら、まずクロークや受付に預けるのが最もスマートな対応です。預ける場所がない場合は、式が始まる前に荷物をロッカーに入れるなどし、会場内にはメインのフォーマルバッグだけを持ち込むのが理想です。もし、どうしても会場内に持ち込まなければならない場合は、椅子の下にそっと置き、目立たないように配慮します。お焼香の際には、サブバッグは席に置いたまま、フォーマルバッグと数珠、袱紗だけを持って立つのが美しい作法です。サブバッグは便利なアイテムですが、その使い方一つで印象が大きく変わります。あくまで「補助的」なものであるという意識を持つことが大切です。
サブバッグは葬儀で使っても良いのか