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葬儀の座る位置で起きるトラブル
葬儀の席順は時として親族間の古くからの確執や序列意識を刺激し深刻なトラブルの火種となることがあるため安易に決めることは危険であり細心の注意と調整能力が求められるデリケートな問題です。よくあるトラブルの一つに「自分の方が故人と親しいはずなのに下座に座らされた」という不満があり特に本家と分家の関係や兄弟間の年齢順と社会的地位の逆転などが絡むと感情的な対立に発展しやすく式後の親戚付き合いにまで亀裂が入ってしまうケースも珍しくありません。また離婚した元配偶者が子供のために参列する場合や前妻の子供と後妻の子供が同席する場合など複雑な家庭事情があるケースでは隣り合わせに座らせてしまうと気まずい空気が流れるだけでなく口論に発展するリスクすらあるため席を離したり間に緩衝材となる人物を挟んだりするなどの配慮が不可欠です。さらに席数が不足してしまい本来座るべき高齢の親族が立たされる一方で若い世代が座っているといった状況も親族からの批判の対象となりやすいため参列者の人数を正確に予測し予備の席を十分に用意しておくか焼香の回転を早めて席を空けるなどの対策を講じる必要があります。こうしたトラブルを回避するための最も有効な手段は喪主一人で決めずに信頼できる親族の代表者や事情に詳しい長老に相談して「お墨付き」をもらうことであり「叔父さんの指示でこうしました」という形にすることで角が立たないようにするテクニックも時には必要となるでしょう。葬儀社のスタッフは席順のトラブルに慣れているプロフェッショナルですので彼らに間に入ってもらい「会場の都合上このようになります」と第三者の立場から説明してもらうことも感情的な対立を防ぐ良い方法です。たかが座る位置されど座る位置でありその配置一つに故人を送る人々のプライドや感情が複雑に絡み合っていることを認識し全員が納得とはいかなくとも少なくとも大きな波風が立たないような落とし所を見つけることが喪主の重要な役割なのです。