斎場での葬儀が一般的になった現代においても自宅や寺院で行われる葬儀は依然として行われており椅子席ではなく畳敷きの部屋で座布団に座るスタイルになることが多いため斎場とは異なる特有の座る位置の作法や配慮が必要となります。自宅葬の場合最も上座となるのは仏壇の前や床の間の前でありそこから入口に向かって下座となりますが部屋の構造や祭壇の配置によっては上座下座の判別が難しいことがあるため喪主や世話役の指示に従うのが確実です。座布団に座る際は足が痺れてしまうことが最大の懸念事項ですが無理をして正座を貫く必要はなく式の始まる前や読経の合間など目立たないタイミングで足を崩したりあらかじめ持参した携帯用の正座椅子を使用したりすることは失礼には当たりませんし最近では高齢者への配慮から畳の上に低めの椅子を用意するケースも増えています。寺院での葬儀の場合本堂の広さや柱の位置によって視界が遮られる場所があるためできるだけ祭壇や僧侶が見える位置を確保したいところですが内陣(仏様が祀られている聖域)に近い場所は親族や特別な来賓のための席であることが多いため一般参列者は外陣(参拝者のためのスペース)の後方や縁側に座るのがマナーです。また畳の部屋では座布団を踏んで歩くことは厳禁とされており座る位置まで移動する際は座布団の間を縫うように歩き着席する際も座布団の手前で一度正座をしてから膝行(膝を使って移動すること)で座布団の上に乗るのが正式な作法ですが混雑している場合はそこまで厳密でなくても構いません。自宅や寺院は斎場ほど広さがないことが多く参列者が溢れてしまうと玄関先や庭先に立って参列することになる場合もありますがその際も通路を塞がないように配慮し焼香の順番が回ってくるのを静かに待つ姿勢が求められます。このような伝統的な空間での葬儀は厳かな雰囲気が漂う一方でアットホームな距離感も生まれるため座る位置を通じて故人との最後の時間をより身近に感じることができる貴重な機会となるでしょう。
自宅葬や寺院での座る位置の作法