袱紗をカバンからスマートに出す方法
葬儀において、香典は必ず「袱紗(ふくさ)」に包んで持参するのが大人のマナーです。そして、その袱紗をカバンから取り出し、受付で香典を渡すまでの一連の所作は、意外と多くの人に見られています。この流れをスマートに行うことで、落ち着いた、礼儀正しい印象を与えることができます。まず、受付に向かう前に、カバンの中を整理しておきましょう。袱紗は、カバンの中で最も取り出しやすい、手前の位置に入れておくのがポイントです。数珠や携帯電話など、他の物と絡まないように配慮します。受付の列に並んだら、自分の番が来る少し前に、カバンから袱紗を取り出しておくとスムーズです。慌てて受付の前でカバンの中をかき回すのは、見苦しいだけでなく、後続の人を待たせることにもなります。カバンから袱紗を取り出したら、右手で袱紗を持ち、左手で袱紗を開きます。弔事の場合、袱紗は左開きになるように包むのがマナーです。袱紗を開いたら、中から香典袋を取り出し、袱紗をさっと畳みます。そして、受付の方が文字を読める向きに香典袋を持ち替え、両手で「この度はご愁傷様でございます」といったお悔やみの言葉と共に差し出します。香典を渡した後、畳んだ袱紗はすぐにカバンにはしまわず、片方の手に持ったまま記帳などを済ませ、受付から離れてから、落ち着いてカバンにしまうのが美しい流れです。特に女性の場合、小ぶりなフォーマルバッグは収納スペースが限られています。袱紗の出し入れがしやすいように、中に入れる財布やポーチは、できるだけ薄型でコンパクトなものを選ぶといった事前の準備も、スマートな所作に繋がります。一連の動きを、慌てず、丁寧に行うこと。その落ち着いた振る舞いこそが、故人への深い敬意の表れとなるのです。